そもそも基礎年金番号を導入したのは平成八年三月。この時の厚生大臣(現在は厚生労働大臣)は現民主党代表代行の菅直人氏でした。そして平成八年十月に基礎年金番号実施関連省令の改正も同じく菅直人氏の下で行いました。このようにして基礎年金番号等の社会保険の番号を一本化するという名寄せ作業が開始されました。
この仕組みの導入自体は別に間違ったことではなく、基礎年金番号を統一的に理解することが一番の簡素化に役立つのですから、なんら問題はありません。それ以前は住所が三回変われば三つの社会保険番号を持ち、結婚をすればまた新しい番号を持つという仕組みになっていました。これにより一人で五つも六つも年金番号を持っている状態になっていたのです。これではまともな整理はとても出来ないということで、基礎年金番号導入時に名寄せ作業を行ったわけです。
ところがその実施主体である社会保険事務所がそれを適切に処理しなかったことが、結果として十年経った現在において、五千万口の未確認年金記録を残してしまうという状態になりました。加えて千四百三十万人分の未確認年金番号があるという情報も最近出てきています。
したがって名寄せ作業の実施が十分にされなかったという意味においては、菅直人、小泉純一郎、川崎二郎、坂口力といった歴代大臣や現厚生労働大臣である柳澤伯夫大臣にも責任があるといえばあるのかもしれません。
ただ現実は国民にとって極めて憂慮すべき事態ですから、これをなんとか可及的速やかに本来あるべき姿にしようと、今政府は努力しています。
今国会で安倍首相は、「今後一年間でこの年金記録五千万口すべての名寄せを完了させる」と約束しています。厚生労働省においては社会保険事務所窓口において週末も含めて相談に応じていますし、0120を使った「全国統一二十四時間無料ダイヤル」も近日中に設定する予定になっています。
こうすることにより、もし自分が支払った年金において未払いの部分が判明した場合、今までは時効によって過去五年分しか受け取れなかった部分が全額受給出来るようになるわけです。今国会でそれに関する法案は衆議院を通過し、現在参議院にかかっている状況です。
しかも、過去の記録が十分でない、例えば過去の保険料の領収証などが存在しないといった場合においては、銀行通帳の出金記録、または元雇用主の証言等を根拠として第三者委員会で判断してもらうなど、国民の立場に立って積極的に年金受給権を認めていこうとしています。
大まかに見て、十年前に年金記録は約二億口ありました。これが名寄せにより約一・五億口を処理し、現在未処理分が約五千万口あることになります。その中ですでに年金受給年齢、つまり六十歳以上に達している人の分が約二千八百八十万口あります。これを一年間で優先的に確認し処理する予定になっています。
したがって「消えた年金」と言われていますが、自分の年金がどこかへ消えたわけではありません。記録がハッキリしないものがある、というだけのことです。自分が支払った年金はかならずご自身のところに戻る仕組みになっていますので、どうぞご安心ください。
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