APEC財務大臣会議に出席

 2006年9月7日、ベトナム・ハノイで開催されたAPEC財務大臣会議に日本代表として出席した。今回で第十三回となるAPEC財務大臣会議においては、就任後初めての国際会議出席となった米国のポールソン財務長官を始めとしてアジア・太平洋諸国・地域の財務大臣が一堂に会し、財政・金融の分野を中心に意見交換を行った。今回は、@世界経済と域内経済の動向、A財政の効率性と持続可能性の促進、B資本フローを誘致するための金融セクター改革について議論した。

@世界経済と域内経済の動向について

APEC地域の成長は2005年には幾分緩やかになったが、依然として強い成長を遂げているとの認識で一致した。また、多国間貿易交渉の再開に依然として強くコミットしており、ドーハ・ラウンド交渉の再開に向けて貢献するため協働していくこととした。さらに、強い経済成長を維持しつつ世界的不均衡を秩序立って調整することに向けてAPECエコノミーが協同することが重要であり、米国における一層の貯蓄、我が国における財政健全化を含む更なる構造改革、他のAPECエコノミー・欧州における国内需要のより力強い成長、新興アジアの一部における適切な為替レートの柔軟性の向上が重要との点で大臣の見解が一致をみた。

私からは、我が国経済の現状と見通しを説明した後、これからの10年を「新たな挑戦の10年」と位置付け、取り組むべき三つの優先課題として、@成長力・競争力強化、A財政健全化、B安全・安心で柔軟かつ多様な社会の実現、を掲げ、この三つの優先課題に全力で取り組むことで、我が国経済を豊かで魅力あるものとし、安全・安心な社会を実現したい旨述べた。


A財政の効率性と持続可能性の促進について

安定的かつ効率的な歳入システムは、各APECエコノミーの財政の健全化、社会経済発展に必要な歳出水準の確保の観点からも重要であるとの点で大臣間の意見の一致を見た。また、歳入構造に影響を与える租税特別措置には慎重な考慮が必要であり、租税特別措置に関する定期的な見直しをメンバーエコノミーに慫慂することとした。

私からは、我が国の厳しい財政状況について説明した後、将来世代への先送りを止めるとともに、我が国経済の安定的発展を支えるため、日本政府として財政健全化に断固として取り組む旨の決意を述べた。


B資本フローを誘致するための金融セクター改革について

資本フローが生産的な投資に追加的資金を供給し、技術・経営能力等へのアクセスを強化し、競争力・効率性を改善しうるものであり、経済成長の推進力になりうるものであることで大臣間の認識の一致をみた。また、適切な監督下にあり、健全で開かれた金融サービスセクターの重要性を強調するとともに、テロ資金、資金洗浄など、金融システムの濫用へ対処する為、金融活動作業部会(FATF)により設定された国際基準へのコミットを大臣間で再確認した。 私からは、アジアの金融市場の発展に関する協力の重要性について述べるとともに、APEC域内の金融システムの信頼性の問題として、テロ資金、資金洗浄等に金融システムが濫用されないようにすることが重要である旨指摘した。

また、財務大臣会議の合間を縫って、ニュージーランドのカレン副首相、タイのタノン財務大臣、ベトナムのハー財務副大臣と個別会談を行い、両国間における一層の協力関係の強化を図っていくことで見解の一致をみた。更に、IMFリプスキー第一副専務理事とも会見し、日本経済の現状と見通し、我が国の世界に対する貢献等について意見を交換した。




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