国会閉会後の税制予算審議で忙しい中ではありましたが、仲間の国会議員と共にアフリカの小国であるベナン共和国を訪れてきました。
今回の訪問には、ベナン共和国出身であり日本のテレビ番組「ビートたけしのTVタックル」にも出演中のゾマホン氏が同行。ビートたけしのテレビ番組で有名になった彼は二十数万部売れた著書の印税を貧しい母国に寄付し、現地に三つの小学校を作りました。そしてその小学校のひとつを「ビートたけしさんにお世話になった」という事で「たけし小学校」と名付けたのです。ただ、非常に貧しい国でありますから、校舎があっても教材がない。そこでその現状を知るべく、また、不足している教材を大量に寄付するため、彼と共に我々国会議員の有志(平沢勝栄・原口一博・松木謙公・渡辺周)が十二月十三日からアフリカへと出発しました。
ベナン共和国はアフリカ大陸の西側中央に位置し、大変遠い国です。今回もまず日本からフランスまで約十二時間のフライト、そしてフランスで乗り換え便の待機時間に約十八時間、その後パリからベナン共和国の首都ポルトノボまで約六時間、合計三十六時間を要しました。
| そもそもベナン共和国は元来「奴隷海岸」と言われた地域であり現在は世界遺産となっています。過去七百年にわかってこの地域の黒人がスペイン・オランダ・ポルトガル等の奴隷商人にかき集められ、そしてこの奴隷海岸で競りにかけられて落札した奴隷商人がこの奴隷達を新大陸アメリカへと送ったという、とても非人道的な悲しい歴史がある国です。現地には投網をかけられ身動きできなくなったところを拘束された奴隷達の写真のいくつかも残されていました。 元来フランスの領土でありましたが、一九六〇年にダホメ共和国として独立宣言し、その後幾度の政変を経て、現在ケレク大統領が国の舵取りをしています。 | 
(奴隷の歴史のレリーフ) |

(ケレク大統領と共に) | 我々も日本の国会議員としてこの国の責任者に会おうということで、早速ケレク大統領と面会しました。我々はケレク大統領と二時間近い会談を行い、その中でまず拉致問題について日本の現状を説明しました。すると彼は涙を流して「そんな非人道的なことが未だにこの世の中で行われていることは許しがたいことである。私はその行為を止めるために金正日に直談判してくる」と言っておりました。彼は旧社会主義国家との付き合いの中で、金日成とは旧知の仲だそうです。加えて自分の二人の息子も北朝鮮に留学させていました。この実績を見てもその信頼関係はわかります。「ぜひ、この拉致問題を止めさせるよう説得したい。すぐに北朝鮮の大使を呼んで実情を聞きたい」と言ってくれました。
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また、「日本からは多額のODAの支援を受けているので日本には尊敬と感謝の念でいっぱいである。したがって、日本が国連の常任理事国に就任する選挙が行われた場合は必ず日本に投票したい」とも言ってくれました。日本にとってはどちらもとても心強い言葉でした。
| さて、このような二国間の政治問題に留まらず私が非常に感動したのは、ゾマホン氏が母国のために小学校を作り、いろいろな文化活動に精を出しているという事です。彼は元々この国の優秀な海外留学生として中国北京へ派遣され、北京大学で十年近く勉強した後日本を訪れ、すでに十数年経っているそうですが、長年に渡って母国のために尽力してきました。一個人でも頑張ればここまで出来る、という意欲の尊さに深く感動させられました。
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(ゾマホン氏と共に) |

(現地の子供たち) | 彼の母国にかける情熱に熱く打たれ、我々はこの貧しい小学校に文具品を届けることにしました。現地のたけし小学校で子供達にえんぴつや消しゴム、ボールペン、ノート等を渡す際、非常に印象に強く残ったのはあまりに澄んでいるその目でした。日本の若者達ではこれだけ澄んだ輝きのある目を見ることは非常に少なくなっており、とても残念です。
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かつての日本もこのような憧れを持っていました。しかし今の日本の青少年は憧れを失いつつあります。日本が今日のような世界の大国として大変な繁栄を享受できるのは、一にも二にも努力する人材を育成したことであり、そして優秀な人材が一生懸命努力してきたからです。このベナン共和国の国土面積は日本の三分の一、人口は六百万人程度という小さい国ではありますが、ダイヤモンドや石油、鉄鉱石等の資源は極めて豊富にあります。後は教育さえまともになれば立派な国になることは間違いありません。我々はそのことについても現地の議員に話してきました。
私は国連の国際的な援助活動の一環である国連ハビタットの活動を支援する仕事に従事しています。現在もアフガニスタンやイラクにおいて、住宅を建てることによって貧しい人々を救っているわけです。それと同じことを国連ではなくゾマホンという一個人がやっていることに非常な感銘を受けました。日本の青少年が失っている目の輝きをもう一度憧れとして取り戻すことが、日本の将来を確かなものにするためには絶対に必要だと感じました。
ベナン共和国への援助実績は有償、無償、技術協力を合わせて約三百億円になります。毎年繰り返される対中国援助の二千億円台の援助と比べればまことに微々たる物です。日本は経済不況の中にもかかわらず、国民の血税を世界平和のために年間一兆円近くの額を援助として与えています。しかし援助をたくさん与えた国が必ず日本に感謝しているとは限りません。むしろ逆のケースが多いと思えます。そういう意味では対中国のODAを小泉総理が言うようにそろそろ終了させ、もっと喜んでもらえる国にこれからODAを出すべきではないでしょうか。日本の海外外交戦略を考えると次に大きい国はインドです。幸いなことに近年急速に対インド援助が増えています。そういった大きい国と合わせて、今回訪れたベナン共和国のような国にももう少し日本の手を差し伸べてあげれば、もっと多くの日本の友人が増えるのではないか、と感じました。
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