国立循環器病センター等を視察(2004.6.28)

 我が国は、経済力や食生活、さらには高水準の医療技術や、国民誰もが安心して病院に行くことを可能とする医療保険制度に支えられ、世界一の平均寿命・健康寿命を誇っています。しかし、どれだけ医療技術が進歩した社会でも、誰でも大病にかかれば限りない不安を感じるものです。さらに、医療事故など不安なニュースも多い中では心配もなおさらでしょう。国立や公立の医療機関は、病気という大きな不安に直面したときに、究極の安心を与えるような存在、つまり、「この病院、この先生に診てもらって駄目だったら仕方がない」と思えるような存在であることが必要です。

 今回、大阪府下の国立病院や市立病院を視察し、「国民の最後のよりどころとなる、信頼される医療機関として、日々の治療や研究に努力してもらいたい」と激励しました。

 国立循環器病センター(吹田市藤白台5−7−1)

 国民の総死亡の約30%を占める心臓や脳血管障害など、循環器病制圧のために昭和52年に設立されたナショナルセンターです。中でも心臓移植では、これまで我が国で行われた心臓移植18例のうち11例が循環器病センターで行われています。日本では平成9年に臓器移植法ができた後も、臓器提供者が少ないため、長期間移植を待っている方や、アメリカなどでの移植にチャレンジする方などが数多くいらっしゃいます。私も実際に、アメリカに渡って移植を受ける準備をしている方を訪問し、激励しました。

(アメリカでの渡航移植に向けて準備する平美樹さんと)


 大阪大学医学部附属病院(吹田市山田丘2−15)

 大阪大学医学部附属病院は、古くは天保9(1838)年の緒方洪庵による適塾開塾にまで遡る古い歴史を持った医療機関です。日本を代表する医学教育機関として、これまで大阪だけでなく日本の医療を支える人材を輩出しています。こうした歴史ある医療機関であると同時に、「未来医療センター」を開設し、これからの先進医療研究をリードしているなど、最新の取り組みなどについて説明を受けました。


 大阪市立総合医療センター(大阪市都島区都島本通2−13−22)

 大阪市立総合医療センターは、大阪市制100周年記念事業の一環として整備された医療機関です。市民病院群の中核として、24時間の救命救急医療体制や、災害時の拠点病院としての準備を常に整えていること、また、昨今不足していると言われる小児医療などに特に力を入れているといったことについて説明を受けました。


 国立病院機構大阪医療センター(大阪市中央区法円坂2−1−14)

国立大阪医療センターの救命救急センター
 大阪医療センターは、ガンや循環器病をはじめとする病気に対する高度な政策医療を実施している医療機関です。国立病院の再編前は、国立大阪病院として親しまれていました。また、エイズ治療や災害医療の中核として大きな役割を果たしています。特に、災害医療の点では、平成13年に完成した緊急災害医療棟があり、放射線災害にも対応できる設備や、緊急時には多数の被災者を収容できる講堂など、国民の安全を守る最後の砦としての準備をしていることを確認しました。
 また、病院内に患者情報センターを設け、患者さん自身が病気について積極的に勉強する手助けをする取り組みを行っていました。ややもすると難しく理解しにくい医療現場では、このように情報を積極的に提供する姿勢が重要です。


 大阪労災病院(堺市長曽根町1179−3)

 大阪労災病院は、業務災害や職業・職場に関連する病気などに対する治療やリハビリなどの勤労者医療を行うほか、地域の中核病院として貢献しています。従来から過労・突然死対策などに取り組まれていましたが、最近では、職場でのメンタルヘルスや特に働く女性の健康などの新しい分野にも積極的に取り組んでいるとうかがいました。地域医療の中核として、また、働く人の健康のために、治療や研究にさらに力を入れてもらいたいと激励しました。


 国立病院機構 近畿中央胸部疾患センター(堺市長曽根町1180)

 近畿中央胸部疾患センターは、もともとは結核療養所でしたが、現在では、結核治療の蓄積を基礎に、肺ガン、結核などの治療では日本でも随一の高度な技術とスタッフを備えた医療機関です。「胸部の病気に関しては、絶対の自信を持っている」という院長はじめとしたスタッフの方々の説明を聞き、地域にこのような信頼できる医療機関を持つことによる大きな安心を感じました。


 国立病院機構 大阪南医療センター(河内長野市木戸東町2−1)
 大阪南医療センターは、免疫異常、循環器病、ガンなどの病気を中心に、政策医療を担ってきた地域の中核となる病院です。また、地域における小児医療の分野においても、大きな貢献をしています。さらに約250名の生徒さんが在籍する附属看護学校もあり、医療に従事する後進の育成に力を入れているといった説明をうかがいました。地域の信頼を集める医療機関として、今後とも大きく発展していくことを期待しています。
(大阪南医療センターにて)





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