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●2002年の展望と抱負 ―国民の生活に安心感と幸せを― いよいよ2002年の幕が切って落とされました。この2002という字画のバランスの良い本年は、21世紀における日本の改革元年になるのではないか、また、10年に及ぶ長い不況のトンネルから抜け出すきっかけとなる年になるのではないか、そのような希望を胸に抱いて新年を迎えております。 私がこのように感じたきっかけの一つには、元旦の夜に頂いた一本の国際電話がありました。それは私のアメリカ人の学友で、今もアメリカで活躍している彼からのものでした。彼曰く「今年はブルマーケット(Bull market)になるよ」とのことでした。彼の言い分によると、今のアメリカは、昨年9月11日の同時多発テロによる恐怖からようやく解き放たれ始め、そのおかげでIT産業が再び息を吹き返してきているようです。また、バイオテクノロジーもマーケットに上ってきています。アメリカという国は、全高校生に対して生物を必須としており、生命の起源を非常に大切に考える国です。従って、バイオに関する層が極めて広く厚いのですが、その技術革新がどんどん進み、マーケットのフロンティアとして登場してきました。更にまた、ナノテクノロジーもマーケットに大きく登場してきました。こうした三つの産業のフロンティアが大きく成長してきたことから、これに対する資金の流入が大きく発生するだろうという見通しのもとに、今年は少なくとも年度半ば頃からアメリカ経済は必ず大きくなるという予想なのです。しかもアメリカ経済は、昨年末に底はついている―という分析を彼は言ってきました。 この予測が当たるか当たらないか、今はまだ分かりませんが、私はあえてこれを信じたいという気持ちでおります。経済に永遠の不況が続くことはありえないもので、いつの日か必ずトンネルを抜け出す時が来るのです。 日本経済は、10年間不況の苦しみに耐え抜いてきましたが、やっと昨年の小泉政権の登場以来、様々な問題はありながらも目標を一つに定め、それに対して日本社会をどのように対応させるかということについて、国民的な合意がだんだんと得られてきているのではないかと思っております。その一つが本年4月のペイオフ解禁であり、その他諸々の産業の再編であろうかと思います。 ただ私は、こういった諸改革が仮に大衆の支持を得ていたとしても、無理なく成功するためには、世界の歴史を学ぶのが良いかと思います。サッチャーの革命は成功しました。クリントンの革命も成功しました。なぜサッチャーやクリントンが成功したかと言うと、特にクリントンの場合は、彼が立派な大統領であったかは別として、彼が改革を行った時期には前ブッシュ大統領(父)の打った手が経済浮揚に効果をもたらしたり、国民から見れば、改革の痛みはあるが経済がどんどん良くなるという楽しみがあったため、改革にも耐えられたわけです。そのような意味において、小泉改革も成功のためには、改革に協力したり、改革の励みとなる楽しみや希望が必要です。日本経済を一日も早く回復させるため、小泉内閣も今後はこのような手を打つべきだと思います。 このところの円安は日本の輸出産業には公益を与えるでしょうし、今後円が150円近くにまでいくかもしれないということを考慮すれば、必ずしも俗に言われている3月危機などは起こらないのではないかと思っています。もし仮に、金融に危機的状況が発生したならば、政府は間断なく15兆円という公的資金を銀行に投入し、倒産しかかっている企業を救うべきだと私は考えています。そうすることは、緊急事態への対処であり、緊急避難ともいうべき措置だと思います。 「市場のことは市場に聞け」という言葉がございます。しかしアメリカ自身も昨年のテロ以降、航空業界が壊滅的な打撃を受けた事態に対して2兆円近い公的資金を投入し、産業を救ってきました。これは、かつて日本の通商産業省が採ってきた方法でもあります。いざとなれば、特定産業を救うために政府が資金援助するという姿勢です。ある意味、日本はそのやり方を世界に示しているわけです。何故今の日本が、過去に自分達が行って成功したそのやり方をもう一度思い出し真似ようとしないのか―、私には理解できない点もあります。加えてこれは、「市場のことは市場に聞け」という教訓に、必ずしも反していることではないとも思っています。このように私は、日本経済において円安の進行や公的資金の投入などの状況が発生した場合には、最終的には政府が責任を持って解決をするという安堵感から、日本経済は再び浮上の途につくことになるだろうと考えているわけです。 こうした経済の回復、そしてそれに伴う日本の政治システムの活性化などについて、この一年じっくりと考えるのが政治家が背負っている大きな課題だと認識しています。今年は国政選挙がない年だと小泉首相は言っておりますが、選挙はいつあるかわかりません。しかしながら私は、少なくともこのような外的環境も含め、日本に課された大きな課題を考えると、ある種の国難に対しては決して政争などするのではなく、全員があらゆる知恵を絞って解決の道を開くべきだと思います。良いものは良い、悪いものは悪いという是々非々の立場で、日本の良さに自信を持ち、誇りを持ち、日本独自の新しい政治の道を模索することが大切です。これにより諸外国に対する日本の存在感が高まり、そして日本という国に対する信頼を高めることに繋がるであろうと思うのです。このような意味では、この度の小泉首相の東南アジア歴訪は、首相にとってもいかに諸外国から日本が期待されているかを身を持って感ずる機会だったのではないかと思います。 日本は世界のGDPの約六分の一を、アメリカは約四分の一を担っています。この二国が協力し手をつなげば、きっちりと世界経済の繁栄に貢献できることは間違いありません。今こそ、この一年こそじっくりと将来を見据えて希望の火を灯し、国民の生活に安心感と幸せをもたらすことを考える時だと思っています。 最後になりましたが、皆様方におかれましても大いにご奮闘頂き、本年も幸せな一年となりますよう、心よりお祈り申し上げてご挨拶とさせて頂きます。 |