日本経済再生について

 日本経済再生について、私は先進諸外国の例を見習うべきだと思っています。先進諸外国が経済の苦境に立たされ、そこから回復した歴史の局面を見れば、大変参考になるのではないかというのが私の考えです。特に、日本にとって「失われた10年」が「繁栄の10年」であったアメリカが良い例です。

  アメリカは1985年頃から90年頃にかけて大変な不況でした。当時のジョージ・ブッシュが大統領は、その不況を乗り切るために様々な仕組みを用意しました。そして、その効果が現れ出したのが1993年、大統領がクリントンになった年でした。彼は財政赤字の解消や福祉政策など多彩な改革を打ち出し、それらは皆成功しました。これには、クリントンが優秀な大統領であったかどうか様々な評価がありましたが、少なくとも彼は、政策を成功させる条件が整っている、という恵まれた状況にありました。つまり、ジョージ・ブッシュ政権時代に仕組んだ景気浮揚策が功を奏し、景気が良くなりつつあったわけです。

 改革には痛みが伴うため、社会的には反対の階層も沢山ありました。ジョージ・ブッシュ政権時には湾岸戦争で勝利は治めたものの、失業者は街にあふれ商売は成り立たず、中小企業はどんどん倒産しました。この中でブッシュ大統領が構造改革を行い、アメリカが再び立ち直る仕組みを作りつつあったわけです。

  幸か不幸か、その効果が現れ始めたのがクリントン大統領に交代した頃でした。その時には、景気が良くなっていくことが心の支えとなり、国民は様々な改革や政策に積極的に協力しました。結果として改革は成功し「繁栄の10年」を享受したのです。

  ですから小泉内閣の改革においても、私は何か楽しみが必要だと思います。「これがあるから頑張れる、これがあるから我慢ができる」という心の支えを、1日も早く作らなければなりません。それはやはり、景気の回復だと思います。景気を浮揚して人々に笑顔を戻し、やる気を起こして頂きたいのです。景気が良くなれば税収が上がるので、その税収を元に様々な改革を進めれば良いのではないかと思います。

 ただしこの改革の中で一つ失ってはいけないものは、本来良いものまでを潰してしまっては何もならないということです。こう言うと守旧派だと思われるかもしれませんが決してそうではなく、改革が必要なものを見極め進めることが大切だと考えています。

  例えば住宅金融公庫について考えると、銀行で融資を受けられないケースは少なくないだろうし、その場合に庶民の生活を守る窓口がなくなると、大変な混乱が起こるのではないでしょうか。ですから日々生活をする中で、「最低限ここは公共の窓口で処理をする必要がある」という部分は民営化しないほうが良いのではないかと思っています。

  その一方、民間の活力は大いに使っていくべきです。例えば郵便局などについても、民営化の効果が高い部分は取り入れるべきですが、郵便局を全面的に民営化することについては、よく議論する必要があると考えています。

  今まで日本には、アメリカという兄貴がいました。アメリカを見習えばよい部分もありましたが、今はそのアメリカもテロのために経済が停滞し、消費も落ち込んでいます。ここ数年外人買いで支えられてきた日本の株式市場も、今回のテロの影響でその力も弱くなり、株価は下がりました。これを支えるためには、世界一、二とも言われる個人金融資産約1,400兆円を、株式市場の活性化に向ける政策を展開するなどの自助努力や国民の楽しみを作り出す必要があると考えています。

  12月は税制改正の時期です。株式市場にマネーを向けるような政策を一日も早く作ることによって、個人金融資産を活用した株式市場の育成、そしてそれによる不良債権の解消を目指したいと考えています。



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