平成15年05月021日 156-衆-財務金融委員会-16号
りそな問題


○竹本委員                   
ただいま竹中大臣から御報告がありましたような経緯で、りそな銀行がこういう事態に至ったわけでございますけれども、もともとこの銀行は弱者連合とうわさされもしましたけれども、当初は自己資本はたしか八%ぐらいあったと思います。それが、最近の予測では六%ぐらいあるんだろうと言われておったのが、どうもよく調べてみると二・三%とか二%台だ。こういうようなことで、今回こういうことになったわけでございます。

 その直接の原因になったのは、繰り延べ税金資産、要するに査定を厳しくしたからそうなったのだ、こういうことでございます。査定を厳しくすることにどのような意味があるのか、後ほど竹中大臣にお聞きしたいと思っておりますけれども、さはさりながら、きっちりとした信頼できる査定をやって、その結果、こうでございますということを対外的にはっきり言える数字を出すことが信頼につながり、それをもとに日本経済の信頼が上がっていくというのが理想の展開だろうと思うんです。

 まず差し当たり、今御説明のあったようなことで今回の公的資金の導入が行われるわけですが、冒頭に、五月三十日までということでございますけれども、今後、どのような手続、経緯でもって、どのように持っていかれるのか、その具体的な実務の御説明、スケジュールをちょっとお聞きしたいと思います。


○西原政府参考人                   
 お答えさせていただきます。

 具体的な実務ということですが、このりそな銀行への公的資金の注入に関しましては、具体的な資本の増強額あるいは商品性等につきましては、実際にりそな銀行からの申し込みを受けて、それで精査をした上で、後日決定をするということになっております。

 この資本の増強に当たりましては、まず十分な額の資本増強を可能とするということ、これが一つ。それからもう一つは、ガバナンスの強化を図ることが可能となるような仕組みとする。こういう二点があろうかと思います。

 それで、ガバナンスの強化という点でいいましたら、例えばでございますが、役員の選任解任権を有する議決権制限株式の活用、こういったようなことも含めて商品性については検討していくということになろうかと思います。

 スケジュール的な点について申し上げますと、この預保法の規定に基づきまして、まずは、今般定めました申込期限の五月三十日までにりそな銀行から申し込みがなされる、その申し込みの後、政府としては、その申し込みとあわせて提出していただいた経営健全化計画を審査する、その上で、内閣総理大臣による資本増強の決定がなされる、こういう運びになろうかと思います。その資本増強の決定の際に、具体的な増強額あるいは商品性というものが決まってくる、こういうことになろうかと思います。

 その後、株主総会、これは六月の二十六日を予定しておりますが、それを経て、月末、六月末には資本注入が実際に行われる見込みということでございます。


○竹本委員                   
 わかりました。

 さて、このりそな銀行でございますが、もともと大阪の大和銀行と埼玉の埼玉銀行が合体したわけでございます。私の選挙区は大阪であり、塩川財務大臣も大阪でございますが、大和銀行は、三十二の指定金融機関になっておりますし、また、全融資額に占める割合が約二〇%ぐらい、旧埼玉銀行の場合は約四〇%をあの地域で占めておるということで、しかも、対象先が、八割以上が中小企業関係だということでありまして、今一番問題になっております中小企業対策という意味では、これは本当にほうっておけない問題であります。

 そこで、このニュースが伝わったときに、国有化だとか銀行破綻だとか大騒ぎになるんじゃないかとマスコミは騒ぎ立てておりましたけれども、実は私はそれほど大騒ぎにならないんじゃないかと思っておったんです。というのは、国が公的資金を入れて、国が全責任を持つと言ってしまえば、お金を預けている人はそんなに危惧をしないんじゃないかと思っておりましたところ、どうも両様の反応があるように私は感じておるわけでございます。

 ただ、これからどうなるのかという問題の中で、預金は保護されるけれども、今まで「りそな」から借りておった中小企業が、これからも同じようなつき合いをしてくれるのかどうか、そこが一番心配だという声が地元から非常に強く上がってきております。

 そこで、この見方についても二つあります。一つは、従来より以上に、国有化されて、国は中小企業への貸し付けを奨励しているんだから、もっと積極的に貸してくれるだろう、かえって国有化の方がいいんじゃないか、こういう説もあれば、逆に、これは銀行の倒産なんだから、全然貸してくれなくなるのではないか、こういう二つの説がありまして、この辺についての見通しをぜひ当局からお聞きいたしたいと思っております。お願いします。


○伊藤副大臣
 お答えさせていただきたいと思います。

 今、先生から御指摘ございましたように、りそな銀行は、大阪そして埼玉を中心に大変厚い顧客基盤を持っておりまして、貸し出しの内容を見ますと、中小企業や個人に対する融資の比率の極めて多い銀行でございます。したがって、私どもとしましても、預金者だけではなくて、取引先の皆様方、そうした皆様方の不安を解消できるだけの十分な健全性基準を超えるだけの資本増強が必要だというふうに考えております。

 先ほど説明をさせていただきましたように、これから資本増強の申し込みがりそな銀行からございます。それにあわせて、経営健全化計画を策定し、提出することになっているわけでありますが、当局としては、その計画を審査し、資本増強を決定していきたいというふうに考えております。

 そのときに、これまでの地域金融に力を入れてきた同行の特徴を踏まえて、こうした経営健全化計画の検討がなされるというふうに私どもとしては考えているところでございます。


○竹本委員                   
 そこで、これからこの銀行の立て直しをどのようにやっていくのか、それが次の問題になるわけでございます。経営陣はより経営能力のすぐれた人をお迎えしてやるということになるんだと思いますが、これだけの金を入れるわけですから、今後は、そういう資金ショートを起こさないような、そして信頼を失わないような、かつ中小企業を含めた融資の要請にはきっちりとこたえられるような銀行にしていかなきゃならないわけであります。そういったビジネスモデルをどのように構築していかれるのか、それをぜひお聞きしたいなと思います。

 特に、この件に関しては、今回、伝えられるところによりますと、勘定を分けまして、再生勘定と新勘定に分けて、再生勘定の方には悪い債権を集め、新勘定の方にはいい債権を集め、そして自己資本比率一〇%を目指すということでございますけれども、諸外国の例を調べますと、スウェーデンで、かつてゴーダ銀行とかノード銀行とか、こういった銀行が破綻に瀕しました。このときにスウェーデン政府がとったのは、全株式を政府保有にし、そしてその中で不良債権を一くくりにして、バッドバンクという悪い銀行に一まとめにして、結局は民間に売ってしまった。

 ところが、今伝えられているりそな銀行のビジネスモデルというか経営再建の方策というのは、新勘定と再生勘定に分けて、なおかつ一つの銀行の中でその勘定を運営していくということなので、その辺、悪いところを補うのにいい勘定が使われるのではないか、こういった不安もあるわけでございます。こういったことも含めまして、新しい生き残り、かつ社会に役立つ銀行に立ち直るためにはどういうビジネスモデルを考えておられるのか、お聞きいたしたいと思います。


○竹中国務大臣
 竹本委員御指摘のように、今問われているのは、公的な資金を入れた後のりそな銀行がどのようにしっかりとした銀行業務を地域に根差して発展させていってくれるのか、本当にその一点であろうかと思います。

 自己資本を充実させる、その意味では公的資金の役割は大きいわけでありますが、これだけではもちろん物事は解決いたしません。その意味では、経営の立て直し、ガバナンスを発揮できるような、本当に今までとは違うしっかりとした仕組みをつくって、これは我々の重要な責務だと思います。その上で、経営者に思う存分手腕を発揮していただく、その体制づくりをしっかりとするというのが今の時点での我々の最大の務めであるというふうに認識をしております。

 その上で、特にお尋ねのありました勘定の話でございますけれども、金融再生プログラムの中に、今回のようにいわゆる預金保険法百二条の第一号の措置を使って資本注入する場合、これは特別支援の枠組みというふうに呼んでおりますが、その場合に、新勘定と再生勘定に分けて管理していくという記述がなされております。

 これはぜひとも御理解賜りたいのでありますが、よく言われるグッドバンクとバッドバンクに分けるということではございません。新たな経営者が出まして、その新たな経営者に関しては、新勘定をもとにしてしっかりと収益を上げていく、いわば内部の管理会計として、その新経営者の収益を上げる責任を明確にするために新勘定と再生勘定に分ける。もちろん、新しい経営者は、再生勘定に関しては再生させるという責任を負う、新勘定についてはそこをしっかりと活用して収益を上げるという責任を負う。そういう内部管理のものでありますので、その再生勘定を外に持っていくんだ、RCCに持っていくんだというように誤解されると実は大変困るわけでございます。

 もちろん、いわゆるオフバランスに関しましては、既に金融庁は、「りそな」だけではなくてどこの銀行にも適用を求めていますルールがございます。二年・三年ルール、今ある不良債権は二年で、新たに発生したものは三年で。五割・八割ルール、一年目に五割、二年目に八割。それはほかの銀行にも同様に、ここは「りそな」にも引き続き守っていただきたいと思いますが、再生勘定に入ったからといって、それがいわゆる外に分離されるということではございません。

 我々としては、したがって、そういうふうに分けるのも、新しい経営者にしっかりとガバナンスを発揮してもらって、経営をしっかりしていただくこと。繰り返しますが、新勘定に関してはしっかりと収益を上げてくださいよ、再生勘定についてはしっかりと再生させてください、そのような形も組み合わせまして、全体として注入された自己資本が真に生かされて経営が立て直されていくように、そのような仕組みをつくっていきたいというふうに考えております。


○竹本委員                   
 その再生の中には民間への売却ももちろん含まれているんだと思いますが、それはそういう解釈でよろしいですね。今のお話の最後のところ。


○竹中国務大臣                   
 先ほど申し上げましたように、これは「りそな」だけではなくてすべての銀行に対して、不良債権に関してはできるだけ早期にオフバランス化をしていく二年・三年ルールというのがございます。それと全く同じでございます。

 したがって、それは、民間に売却するもの、証券化するもの、いろいろな形があるわけでありますけれども、それについて今回「りそな」が特別にどうこうということではございません。民間も含め、証券化も含め、しっかりと対応をしていっていただくということです。


○竹本委員                   
 さて、先ほど言いました、今回査定を厳しくしたためにこうなった、その対象は繰り延べ税金資産の扱いだということでございます。当局から聞いたわけではないんですが、幾つかのジャーナルで見た数字なんですけれども、各銀行が持っている繰り延べ税金資産がどれぐらいあるか。全資産に占める割合をちょっと言いますと、「りそな」が三八%、「みずほ」が二五%、UFJが二八%、三井住友が三〇%、三菱東京一七%、こうなっておるわけでございますので、こんなに大きいシェアを繰り延べ税金資産が占めておるということは、これの評価、扱いを厳しくすれば、途端に自己資本がぐっと下がってくる、やわらかにしておけば何とかもつ、こういうことになるわけであります。

 そこで、竹中大臣のお話も私もお伺いするわけですが、国民一般は、なぜそんなに今厳しくしなきゃいけないんだということについて、どうも完全な納得をしていないように私は思うわけなんです。

 それで、ある方が言うには、そんなに厳しくしなくても今までやっていた数字でいいではないか、それが日本のやり方として国際的に認知されているのではないか。他方の人は、いや、そうじゃないんだ、それじゃ国際的な信用を得られないから今厳しくしなきゃいけないんだ。こういう議論があるわけですけれども、今なぜ厳しくしなきゃいけないかということについて、ぜひ竹中大臣から御説明をいただきたい。まずそれを先にひとつお願いします。


○竹中国務大臣                   
  繰り延べ税金資産というのは、非常に技術的で、専門家でも、特に一般の方にはなかなかぴんとこない概念なものですから、いろいろな報道なんかを見ていましても、若干の議論の混乱があるように思われております。竹本委員から大変重要な御指摘もいただきましたので、ぜひ明確にさせておきたいと思うのでありますが、政府が、金融庁が繰り延べ税金資産に関する評価の基準を厳しくしたという事実は全くございません。

 繰り延べ税金資産については、これは間違いなく会計上の資産であります。しかし、これは、将来税金を払うときに回収できるはずの資産でありますから、回収可能性について、本当にそれが確かかどうかということに対しては、マーケットの中からは常にいろいろな評価がなされていたわけであります。

 昨年の秋に金融再生プログラム等々を議論する際に、この繰り延べ税金資産というのは重要だけれども、よって立つ基盤が脆弱ではなかろうか、これに対してルールをつくる方がよいのではないかという議論も出されました。しかし、そのときに、御承知のように、ルールを変えるべきではない、今までやってきたんだから日本のルールを急に変えるべきではない、しかし、これはどうするか、問題点があることも事実だから、だから専門家を集めて金融審でワーキンググループをつくって、そこで議論していこうということになったわけでございます。今現実に、多方面の専門家を集めて議論をしております。その意味では、今までと同じルールでやっているわけです。

 では、今までのルールはどういうルールかといいますと、平成十一年に公認会計士協会が定めた実務指針というのがございまして、その実務指針に、こういう基準でやるんですよというふうに範囲が定められております。ただ、現実には、今回の場合ですけれども、五年以内とか、公認会計士が実情に合わせてきっちりと判断するという仕組みになっているわけです。今回生じたことは、まさに実情に合わせて、公認会計士がまさに独立の立場でその点を判断した結果、保守的に見積もったというか、そういう見積もりが示されたということでございます。

 その意味では、我々としては、金融審でこの制度全体についてしっかりと議論をしていただきたい。しかし、今は現状の制度で動いているわけですから、それに関してはまさに現状の制度。解釈、判断の幅は公認会計士にかなりゆだねられておりますけれども、しかし、公認会計士がその社会的機能を発揮して独立の判断をしてやっていっていただきたい、そういう仕組みになっておりますので、この点の理解も含めまして御理解をよろしくお願いしたいと思います。

 最近、ここ数日間、公認会計士協会の奥山会長がいろいろなところで発言をしておられますけれども、奥山会長も、公認会計士が独自の判断で、こういうルールにのっとってしっかりと判定しているんですということを繰り返し述べておられます。


○竹本委員                   
 公認会計士協会が独自の判断をしたということでございますが、保守的なとおっしゃいましたけれども、ただ、厳しい判断をしますと今回のような結果になることは公認会計士といえども十分予測できたわけでありますから、その場合、事前に金融庁に対して、こうなりますよという相談はあったんでしょうか、なかったんでしょうか。


○竹中国務大臣                   
 今も申し上げましたように、これは公認会計士ないしは監査法人が、一種の重要な社会的機能として、プロフェッショナルな立場から、独立して判断することになっております。その意味では、もちろん金融庁はそれに全くかかわる立場にはございませんし、そういったような形での金融庁に対する問い合わせ、こちらからの話し合い、そういうのは一切ございません。


○竹本委員                   
 そこで思うんですが、今回の問題は、税の問題と自己資本計算の経理の問題と、ちょっとずれているところがあります。加えて、日本の制度と、参考にしますアメリカの制度とまた違うわけです。特に税制が違います。ですから、民間の方では、日本では何かやろうとすると税金がかかってしまうからできない、アメリカのように、繰り戻し還付を手厚く認めてほしいというようなことが民間の代表者の声として強く聞こえてくるんですけれども、この問題については、竹中大臣、どのように考えておられますか。ちょっとお聞きしたいと思います。


○竹中国務大臣                   
  御指摘のとおり、この繰り延べ税金資産の問題、こういうのがなぜ発生するかということに関しましては、会計基準の問題、会計上の考え方、それと税務上の考え方、そこに金融監督の考え方も絡んできまして、ある意味ではこれまでの経緯、制度を引きずった大変難しい問題でございます。そういう点を踏まえて、金融審議会においては、法律の専門家、会計の専門家、税制の専門家等、幅広い観点から検討する必要があるということで今検討をしているわけでございます。

 我々としましては、これは金融再生プログラムにも明記しておりますけれども、繰り延べ税金資産に関する税制について改正を考えていただけないだろうかということで、企業会計上の貸し倒れ償却、引き当ての全額損金算入、欠損金の繰り戻し還付制度の凍結解除及び繰り戻し期間の延長、これは一年から十五年に、欠損金の繰越控除期間の延長、これは五年から十年に。大変これも技術的ですけれども、一つやっても実は余り効果がないわけで、ないしは逆な弊害も出てくる可能性もあるわけで、一括して実施することが必要だと考えまして、そうしたことを内容とする税制改正要望を昨年十一月に提出をしております。

 きょうは財務大臣お見えでございますけれども、税制に関するトータルな判断がそこでもちろん当然なされるわけでありますが、この点に関しては、昨年十二月における与党の税制改正大綱におきましても、繰り延べ税金資産の取り扱いを初め、金融行政、企業会計制度を含む全体としての対応策とあわせて検討を続けるということになっております。

 アメリカでは、過去、一九七六年から九三年までの間、金融機関のみについて十年間の欠損金の繰り戻し還付が認められた例がございます。その意味では、即効性のある金融システム回復に向けての措置として、このような税制改正がやはり必要であると我々も考えておりまして、引き続きその実現に向けてしっかりと要望して、努力をしていきたいというふうに思っております。


○竹本委員                   
 さて、今回のりそな銀行の事案ですけれども、このような公的資金注入に至った状況には、景気の低迷や株価の下落といったような、銀行の自助努力を超えたものがあるように思うわけであります。

 特に、国民の目から見ておりますと、二兆円をぽんと投入するというんだけれども、一年間かかって税制改正で、かりかりやってやっと一兆八千億減税したじゃないか、簡単に二兆円ぽんといくのか、こういう感じもございますし、「りそな」については、合わせて三・一兆円ぐらいの金が行っているわけでありますから、そんなに金があるんなら公共事業でもやってくれた方がいいじゃないか、こういう単純な発想も当然あるわけでございます。

 これに対しては、いやいや、金を出したんじゃないんだ、貸しただけで、またもうかったら返ってくるんだ、こういうような答弁になるんだろうと思いますけれども、事ほどさように、繰り延べ税金資産といった手続のことではなくて、こういう事態が起こる背景には、このデフレという現時点ではどうしようもない大きな荒波があるということが一番大きいのではないかな、そのように思うわけであります。

 そこで、要は景気を回復しないとこういった問題がまた発生する可能性が十分あるわけでありますから、景気回復のためにもっと潤沢な資金供給が必要と考えるわけですけれども、これは、金融庁、あるいはきょう日銀総裁お見えでございますけれども、潤沢な資金供給というのはどのようにしてこれからなされるのか、その方策について、それぞれお聞きいたしたいと思います。

 特に、私思いますのは、株価の大変な下落を見ておりますと、ETF初め、公的資金を入れて株を買い上げれば株価対策になるのではないかという議論を我々もしてまいりました。そういう問題も含めまして、ひとまず答えていただきたいと思います。


○竹中国務大臣                   
 御指摘のとおり、今の困難な経済状況を解決するに当たって、マクロ的な経済運営というのは極めて重要であるというふうに思っております。銀行の経営、しっかりと経営努力をしていただきたいし、不良債権の処理もしなければいけない。しかし、今のようなマクロ環境で、大変経営者が苦しんでいるということも間違いなく事実であろうかと思っております。

 マクロの経済環境に関しては、何度かこの委員会でも御答弁させていただきましたけれども、結果的に見ると、実体経済面といいますか、実質成長率といいますか、そういう面で見ると、そこそこのところを、厳しいながらも、そこそこ維持、狭い道を歩んでいるんだけれども、名目については、名目成長率が大変低い。要するに厳しいデフレが続いている、物価の下落が続いている。このデフレに対して、引き続き果敢に取り組んでいくということが何よりも必要であろうかと思います。とりわけ、名目の数字で銀行の貸し付け、税収等動くわけでありますから、デフレに対して日本銀行とまさに一体となって厳しい姿勢で臨むということが必要であろうかと思います。

 資金の供給については日銀総裁の方から御答弁があるかと思いますが、それに関して、政府としては、持続的なペースで、つまり一時的な財政拡大とかではなくて、持続的なペースで需要を拡大していけるようなさまざまな工夫はできないだろうか。規制改革、その一環としての特区などもその一例ではありますけれども、そういうことを引き続き懸命に続けていかなければいけない。

 同時に、資金に関しては、実は日本銀行がベースマネーをふやしても、その後金融仲介のプロセスで、銀行のプロセスでとまってしまってなかなかその先に行けない。気がついてみると、その最大の要因はやはり不良債権である。不良債権を処理するためにはマクロ経済がよくなければいけないけれども、資金供給がふえるようにするためには不良債権を処理しなければいけない。そこは同時解決を図らなければいけないという難しい問題に直面するわけでございます。

 日本銀行と協力して、この難問にあらゆる手段を講じて立ち向かって、これを克服していきたいというふうに思っております。


○福井参考人                   
 お答え申し上げます。

 デフレ脱却ないしは現在続いております長期の不況からの脱却のためには、何と申しましても、マクロの経済政策の効果が十分浸透して企業の活動が活発になる、その企業の活発な活動を支えるために、資金の面から、金融機関がやはり新しいリスクテーク能力をきちんと身につけて、金融機関の活動も活発になる、こういう条件をそろえる必要があるということだと思います。

 日本銀行の責任事項になっております金融政策について申し上げますと、金利がほぼゼロという状況のもとでの金融政策でございますので、金利機能が活用できない。したがって、金融市場に流動性をたくさん供給する、その流動性が企業のお手元に早く届いて、企業の活動に有効に使っていただく、こういう経路を想定せざるを得ないし、現に、その経路で緩和政策の効果浸透を図る努力を続けているところでございます。

 つい昨日も、御承知のとおり、日本銀行は流動性の供給目標額、もっと厳格に言いますと日銀当座預金の目標額を最大三十兆円というところまで引き上げました。

 ことしの経済について考えますと、この先、海外の経済環境が、イラクとの戦闘終結後、多くの世界の人々が予測しているとおり、ことしの後半にかけてスムーズに立ち上がっていくということを前提にすれば、日本の経済の場合も、生産、また輸出の立ち直りをきっかけにして好循環につなげていける可能性が十分あるということで、その手前のところでさまざまなリスク要因を十分克服しながら、そこにつなげていく必要がある。そういう意味で、きのう、流動性の追加供給に踏み切ったということであります。

 流動性を追加供給いたしましても、本当に企業のお手元にきちんとお金が届かなきゃいけないということで、そこで、今竹中大臣お話がありましたとおり、お金の運び屋さんというのはやはり金融機関なんでございます。したがいまして、金融機関が健全性を回復して、かつまた新しくリスクをとっていく力をきちんと身につける、つまり金融システムの健全性回復ということがどうしても不可欠。

 したがって、マクロの景気対策と金融システムの機能向上政策、不可分の一体だというふうに思っておりますが、日本銀行ではさらにそれに加えまして、日本銀行が用いますマーケットオペレーションの政策手段そのものについても新しい工夫を凝らしながら、直接企業のお手元になるべく早くお金を届ける努力もしたいということで頑張っているところでございます。


○竹本委員                   
  話は変わりますが、実は五月のゴールデンウイーク前半、私は、ワシントンへ三日間、ニューヨークに二日間行ってまいりました。

 それは、ワシントンでは日米国会議員の討論会のようなもので、外交、経済、防衛等々につきまして三日間議論したわけで、委員長も実は一緒だったわけでございます。その最後に、アメリカ連邦議会の下院議長が出てきまして、四十分近く大変な感謝のスピーチをいたしました。最後に、アメリカ政府は日本に対して大変感謝しておる、イラクに対するイギリスとの攻撃について真っ先に積極的な支持をしてくれた、今じゃ世界の信頼すべき指導者はブッシュと小泉とそしてブレア、三人だけだ、こういうようなスピーチをいたしました。

 我々はそれをお世辞がほとんどだろうなと思っておりましたところ、その二週間後に、国連の用事で私はヨーロッパへ行ったわけでございますけれども、そのときに、最初にイギリスに行きましたら、実はエコノミストの何ページかにブッシュと小泉さんの写真がこのように出ておりまして、表題がアクシス・オブ・グッドなんです。善の枢軸と書いてございます。

○小坂委員長 時間が終了しております。

○竹本委員                   
  時間がないようでございますが、要は、今まで外交で余り褒められたことがなかったはずの日本が、外交、政治でえらく褒められておる。逆に、今まで一番強いと言われておった経済が、私は実力はあると思うんですけれども、非常に低く評価されている、得意わざで失点を重ねているような感じさえするわけでございます。

 ぜひとも、日本の経済が大変元気であるということをきっちりと示す意味においても、答えは要りませんけれども、時間がありません、要りませんが、例えば昔……(発言する者あり)

○小坂委員長 時間が超過しております。

○竹本委員                   
 笑わないでよ、ちょっと、まじめな話。

 国債の日銀の直接買い入れというような方策をも含めて、ぜひ、日本の経済のデフレ脱却策を真剣に考えていただきたいなというふうに思います。特に、この国債の日銀での直接買い入れについては、欧米の識者が非常に強く関心を持って、なぜ日本がそれをやらないのか、こういったことをしょっちゅう言うことも含めますと、改めてそういった方策も再検討していただきたい、そのように御希望申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。

 どうもありがとうございました。


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