平成15年04月02日 156−衆ー経済産業委員会ー10号
環境問題について 京都議定書の扱いについて


○竹本委員                   
 非常に限られた時間でありますが、今我が国が当面しております環境問題、エネルギー問題、そして何よりも、我々の生活環境をどのようにいい状態の中で保持していくかということにつきまして、日ごろ考えております点について御質問をさせていただきたい。同時に、今回かかっている法律に関することについても、少しお尋ねいたしたいというふうに思います。

 まず、我が国はエネルギーの大部分を海外に頼らざるを得ない状況でありますが、いろいろな努力の結果、十三年度には四九%という石油依存度に低下してまいりました。これは大変な努力の結果だと私は思っておるわけでございますが、さらに今後は、京都議定書を締結した締約国の我が国としては、加えて議長国でもありましたので、今後のエネルギー政策を展開するに当たり、地球温暖化への対応ということに真剣に取り組まなければいけないというふうに思っている次第でございます。

 ところで、世界の二酸化炭素量の推移を見ますと、現状では、先進国は全体の六割を超えておりますけれども、途上国の排出が、中国、インド等に見られますように非常に増加しつつあります。また、二〇二〇年には世界の半分をこれら途上国が占めるのではないかとも言われておるわけでありますが、特にこれに加えて、先進国の中でアメリカあるいはオーストラリアが今回の京都議定書を批准しない旨を表明している。この非常にいびつな格好をどのように見ればいいのか、私は非常に危惧をしておるわけであります。

 と申しますのは、アメリカは日本の人口の二倍ございますが、石油消費量は、大まかに言って約四倍の消費量を持っております。それだけの消費をしておるということは、それだけ炭酸ガスを出しているわけでありますけれども、そういったところは入らないで、どう見ても、約三割ぐらいの締約国で厳しい取り決めをしても、どの程度の効果が出るのか、私は非常に問題視しておるわけであります。

 特に、京都議定書を発効いたしますと第一回締約国会議が開かれますが、そこで、法定拘束力を有する法律の遵守事項を決めると言われておるんです。その場合、四分の三の多数で決めるということなんですけれども、もしそれを決められますと、世界じゅうの三割の人たちで罰則つきの厳しい取り決めをするところにどの程度の意味があるのか。また逆に、そうすることによって大変なコストの負荷が我が国の産業にのしかかり、そして、わかりやすくは中国との競争を考えていただければいいですけれども、非常に競争力を減少させるのではないか。そういうことをあえてやる必要はないのではないか。むしろアメリカを説得し、そして全部とは言わないけれども、半分以上ぐらいの先進国が参加した状況の中で初めて、厳しい罰則適用というようなところへ進むべきだと私は思うわけでございますけれども、こういった面において外交的な努力をどのように展開されようとしておられるのか、経済産業省の御意見をお聞きいたしたいと思います。


○高市副大臣                   
 認識は先生と同じでございます。

 まず途上国の排出量ですけれども、将来は先進国の排出量を超えるでしょうし、それから、日本が物すごく厳しい目標達成のために必死で努力しているときにアメリカや中国は削減義務を負わないということは、やはり国際競争上不公平な立場に立たされているということで、認識は同じでございます。

 昨年のCOP8を初めとしましてさまざまな国際協議の場で、とにかく、アメリカや途上国も含めた枠組みづくりの必要性を日本は訴えてきておりますし、アメリカが離脱を表明した直後も、平沼大臣がアメリカの閣僚に親書を送るなど、その後ずっと、引き続き努力はしてきております。

 これからも、すべての国が含まれる、すべての国が参加する共通のルールづくりということについて非常に強く訴えてまいりたいと思いますし、努力はしてまいるつもりでございます。


○竹本委員                   
 さて、この地球温暖化の問題は非常に重要なんでございますけれども、我が国のエネルギーのセキュリティーというところに目を転じますと、石油の中東依存度が十四年度時点で八六%と、非常に上がってきております。これは第一次、第二次の石油ショックのときよりも高いということで、極めて脆弱な構造と言わざるを得ない。この脆弱性をどのように補完するのか、その点についてお聞きいたしたいと思うわけでございます。

 今回のイラク戦争のような事件の勃発がある場合には突然にとまるわけでありまして、私は、アメリカが今回イラクにこれほどまでこだわるのには、アメリカは石油の半分を自国生産しますけれども、残り半分は中東から引っ張っておりますが、その一番大きい供給国がサウジアラビアであります。サウジアラビアが安定しない、あるいはイラクのフセインによって影響を多大に受ける、そのことによる不安定さを除去したいという気持ちが腹のどこかにあることはまず間違いないと思っておるわけでございます。

 我が国の場合も、今申し上げましたように、八六%と極めて高い。こういった危険に対して、かつて平沼経済産業大臣は、イラク戦争の勃発前に、アティーヤOPEC議長、それからナイミ・サウジアラビア石油・鉱物資源大臣と個別に会談し、安定供給を頼むというお話をされたということでございますが、これも一つの努力だと思いますけれども、西川副大臣、どういうふうな対応を考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。


○西川副大臣
 竹本先生は初代の経産省大臣政務官としてこの問題に非常に御苦労されておりましたことを私はよく承知をいたしておりまして、敬意を表したいと思います。

 御案内のとおり、三十年前には七七%も石油に依存していたのが、二〇〇一年の速報値でございますけれども、四九%まで落ちている。しかし、今御指摘のとおり、アラブの地方に八六%依存している。こういうことで、エネルギーの供給の安定化に対する脆弱性を大変御心配いただいているわけでございます。

 そこで、これらに対する対策としては、三つとりあえず私どもとしては方針を立てております。  一つは、石油の備蓄をしっかりとしていく。それから、加えて自主開発についても力を入れていく。これによって石油の安定供給を確保していく。これがまず第一の柱であります。

 第二の柱は、さはさりながら、省エネルギーを徹底させて、エネルギーのむだ遣いをしないようにしていこう。この伸びを、先ほどの先生の一問目の御質問にも深く関係する環境上の問題とも関連させてしっかりやっていく。

 そして、第三の点は、原子力、天然ガス、それから新エネルギー、石油にかわる新しいエネルギーを積極的に開発をしていく。こういうことで、バランスのとれたエネルギー政策というものをきちっと確保していかなければいけない。

 それから、ただいま御指摘がございましたように、非中東地域に石油の資源を開発していく。例えば極東ロシア、こういうところの石油資源に対しまして積極的にこれを支援して、私どもの国の中東以外のエネルギー源を確保して、この脆弱性を補っていきたい。

 こういうような努力をしていくことが基本ではないか、このように考えております。


○竹本委員                   
 はい、よくわかりました。

 ところで、中東以外というところでございますけれども、中東以外でエネルギー源を求めるとなれば、LNGやLPGといったガス体エネルギーが浮かび上がってくるわけでございますけれども、こういったものは、インドネシアとか、あるいはロシアとか、こういったところから出るわけでございまして、中東以外でありますから、安定性を確保するという意味では非常に有効なエネルギー源ではないかと思っておるわけであります。

 まだエネルギー全体に占める割合はそんなに大きくないと私は思っておりますけれども、その普及拡大に政府はどのように努めるおつもりがあるか、お聞かせいただきたいと思います。


○桜田大臣政務官
 お答えさせていただきます。

 LNGの液化天然ガスは、石油に比べ供給安定性が比較的高いことに加えまして、化石燃料の中では最も二酸化炭素の排出量が少ない、そして硫黄酸化物などの環境負荷が小さな主要化石燃料であります。

 こうした点を踏まえまして、当省といたしまして、老朽火力発電所あるいは産業用のボイラー等の石炭等からの天然ガスへの燃料転換の推進、二番目に、天然ガスコージェネレーションや天然ガス自動車等の導入促進、三番目には、高効率の小型天然ガスコージェネレーション技術等の新たな利用技術の開発の促進などを通じまして、引き続きLNGの利用拡大に努めてまいりたいと考えております。

 また、LPGにおきましては、二酸化炭素の排出量が少なく、硫黄酸化物の排出もほとんどないエネルギーであるほか、液化された状況で容器に入っているため運搬が容易でありまして、全国津々浦々まで供給されているところであります。こうした特徴を有するLPGは、全国の約半数、二千八百万世帯の家庭用燃料として利用されているほか、工業用、自動車用等広範な産業分野におきまして使用されている重要なエネルギーであります。

 当省といたしましても、LPGの安定供給確保のために、民間備蓄に加えまして、二〇一〇年度に百五十万トンを目標とする国家備蓄の整備を推進するとともに、流通の合理化やLPGの効率的な利用の促進を図るため、LPGの充てん所の統廃合やLPGのコージェネレーションの導入支援等の措置を講じているところでございます。  以上であります。


○竹本委員                   
 さてそこで、石油依存度を下げるという意味で次に思い浮かぶのは、新エネであります。風力発電や太陽光発電等の新エネの導入は、海外、例えばドイツなんかでは風力発電は非常に盛んだと、そして一〇%ぐらいでしたか、相当の率を占めておるという話は聞いておるんですけれども、しかしながら、同じことを我が国でやろうとすると、自然条件が随分違います。風は気ままでありまして、なかなか恒常的にこういったエネルギーを採取することができない。

 ある人の話によると、百万キロワット級の原子力発電所一基分を太陽光発電で得ようとすると、山手線の内側を太陽光パネルで埋め尽くさないと無理だ、こういう話を聞いたことがあるんですけれども、それほどエネルギーを集めるというのは大変なことだろうと思いますけれども、しかしながら、今一%とか言われておるこういった分野をやはりもっともっと拡大して、エネルギー源の多様化を図る必要があると思うわけでございます。

 これについて、政府の方ではどのような対応を今後進めようと考えておられるのか。例えば、補助金を出すとか、何か奨励策をもっとやってもいいんじゃないかと私は思っているわけでありまして、ちょっとお答えをお願いいたしたいと思います。


○桜田大臣政務官                   
 これは、先ほどの井上先生の方から御質問があった点と全く同様だと思っておりますので、先ほどと繰り返しになりますけれども、新エネルギー関係予算については、平成十五年度におきまして、対前年度比において百十九億円の増加ということで千五百六十八億円を計上して、自治体や事業者たちに導入の補助金を提供しているところでございます。

 また、昨年の通常国会で立法化されました電気事業者による新エネルギーの利用に関する特別措置法に基づきまして、業者に対しまして、新エネルギーの導入の義務化をさせているところでございます。

 新エネルギーの特性や課題に応じて、導入に対する支援策の拡充を今後とも図っていく予定でございます。  以上であります。


○竹本委員                   
 今お話しのように、あるいは私が申し上げたように、密度の薄いエネルギーを集めるというのは大変努力が必要でありまして、またコストもかかる、やはりそうなると原子力だ、こういうことになるわけでございます。

 この間、東京電力をお呼びいたしまして、今、東京電力は、十七基中十六基が既に停止しておる、一つしか動いていない、一つの原子力発電所をつくるのに五千億とか一兆円かかるというようなことを考えますと、これほどむだはないなと私は思うわけであります。それでも家庭、工場に電気を届けられる間はいいんですけれども、東電によりますと、夏季の需要予測を聞きましたら、需要が六千四百五十万キロワットになっているんですけれども、供給が五千五百万キロワットしかない、完全に不足するわけであります。仮にこの状態が続けばということでございますけれども、これはまさに危機対応を迫られるわけでありまして、そうなると、今すぐ対応できるのは、何としてもやはり原子力発電所を稼働させる以外ないんじゃないかというふうに思うわけでございます。

 この点につきましては、東京電力の報告書が正確でない、不正な報告があった、未報告の事例があった、あるいはその他、裁判のような事例も最近出てきておりますけれども、私はきょうの質問の中で、実はこれを一番問いたかったわけでございますけれども、例えば、東京電力の場合ですと、例の問題になった事件で、シュラウドにひびが入った。そのひびだけでは、ひびは確かにあるけれども、それだけでは安全だと役所の方は言うのですけれども、私に言わせれば、そのシュラウドの外には格納容器があり、その外にはまた、いざというときには外に放射能を漏らさない装置が加わっておるわけでありまして、多重防護システムとでもいうべき装置になっておるわけであります。ところが、こういった危険があるかないかを説明するときに、シュラウドも完璧、格納容器も完璧、その外の防護壁も完璧、すべてについて完璧でなければ危険だ、このような発想で議論されているケースが非常に多いのではないか。

 私は、シュラウドは、今の状態はもちろん完璧だけれども、仮に万が一、一つの仮定の話でそれが穴があいても、その外に格納容器があるわけですから、そこから一歩も外に出ないんだ、だから結果として外に放射能が出ないから安全でございます、こういうような論理を展開していかないと、不正な報告とかこんなのは論外といたしまして、なかなか原子力の立地及び立地地域の住民に対して安心感を与えられないのではないか、そのように思うわけであります。

 危険には、許される危険と許されない危険があると私は思うわけでありますけれども、例えば、一歩外へ出て道路を歩くのも、これも危険であります。しかし、歩道を歩くのは許された危険であります。車道を歩くのは許されない危険であります。そのように考えますと、ぜひ国民に対する原子力発電の安全性を説明する仕方をもう少し論理明快に、人間のやることですから絶対ということはあり得ない、万が一それがだめであれば、その次にこういう防護壁があるからそれで守れますよ、そのように装置しております、ですから大丈夫ですと言ってあげれば、周辺の人々もそれを聞いて安心して、ならば仕方ないというふうに御納得されるのではないかと思っておりますが、副大臣のお考えをぜひお聞きいたしたいと思います。どちらでも結構です、院長でも。


○佐々木政府参考人                   
 ただいまの先生の御指摘、私どももそのように思っております。

 原子力の安全は、設計の多重性、あるいは深層防御、建設、運転、そして人間に関するマネジメント、そういうものが総合的に達成されて、原子力の安全というものが確保されるわけでございます。また、規制の側もリスクの程度に応じた合理的な規制が必要であると考えておりまして、地元への説明に私たちも参ってまいりましたが、私もそういう説明をさせていただいておるところでございます。


○竹本委員                   
 それであれば結構でございますが、ぜひともそういうわかりやすい説明で、国民の方に不安を与えないようにしていただくことが一番必要かと思います。

 最後に、これで質問を終わりますけれども、私の意見として申し上げさせていただきますが、今回、東電の事故を見ましても、事業をやっているところ、そして監督する役所の方、こういう格好になっておりますけれども、私は、これほど複雑な、そして技術が日進月歩しているものについては、ある種コラボレーション、要するに共同で物をつくり物を監視するといった体制もまた必要ではないかと思っておるわけでございます。今はそうなっていないと思いますけれども、大臣がおられれば大臣にぜひお願いしようと思ったんですけれども、西川副大臣、高市副大臣がおられますので、政務官もおられますから、ぜひそういったことを御検討いただきたいなというふうに思います。

 アメリカの原子力発電を発注しつくるプロセス、そしてその監督の仕方、宇宙開発、衛星の研究も、設立もそうでございますが、そういったことも含めまして、コラボレーションというやり方も取り入れながら万全を期すということが必要ではないか。ぜひ御検討を最後にお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。


○西川副大臣                   
 原子力の重要性にかんがみて、私どもとしては、信頼の回復のために、今佐々木院長からも御答弁を申し上げましたとおり、単に事業者に任せるだけではなくて、政府として地域の方々に、健全性評価そして安全性についてアカウンタビリティーをきちっと果たすことによって信頼を確保していくことが大事であるということを一生懸命やっている最中でございます。その中に、ただいま貴重な御意見をいただきましたので、これも含めて検討をしっかりして、原子力発電の信頼回復のために一生懸命やってまいりたいと思っております。


○竹本委員                   
情報でございますが、特に技術に関する情報を共有していただきまして、ともに切磋琢磨して万全を期す、そういう体制でぜひ臨んでいただきたい。最後にお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

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