平成13年10月31日 153-衆-財務金融委員会-5号
銀行と経営と株価対策


○竹本委員                   
 自由民主党の竹本直一でございます。

 本日は、銀行等の株式保有に関連いたしまして、幾つかの質問をさせていただきたいと思います。

 まず、基本的認識の点でございますけれども、我が国では、戦後急速な経済成長を遂げる中で、海外資本の流入に対抗いたしまして安定株主の確保の必要性とか、あるいはバブル期の資金調達手段といたしまして、エクイティーファイナンス、すなわち新株発行といったものでございますけれども、こういった手段を大いに活用してきたという歴史的背景がございます。そういった中で、いわゆる株式の持ち合いが進展したと私は認識しております。

 とりわけ、メーンバンクと呼ばれる銀行と事業会社との間では、株式の保有を要請したり、保有先の紹介を受けたりといったことが盛んに行われる中でこの株式持ち合いが急速に進みまして、これが日本企業に対して長期的視点に立った経営を可能にしたとの評価もされるようであります。いわゆる日本的経営、日本株式会社とでもいうのでしょうか、ある分野では評価されたものでもあったかと思います。  その歴史的役割はそれなりにあったと私は認識をしておるのですけれども、こういう認識でよろしいでしょうか。この金融問題のオーソリティーでございます柳澤金融担当大臣に一言冒頭でお伺いいたしたいと思います。


○柳澤国務大臣                   
 おはようございます。

 ただいま竹本委員の方から、金融機関と事業会社との間の株式の持ち合いという現象にはそれなりの背景があったし、それはまた日本経済の成長、発展に寄与したという面があったのではないか、こういうお尋ねでございましたけれども、私も委員とほぼ同じような認識を持っております。

 何といっても、銀行と企業が信頼関係にあるということで、特にメーンバンクシステムというのは、一時的に貸出企業が業況が経済社会の変動の中で悪化したとしても、見込みを立てて、そしてあえてそれに融資をつけていくというようなことがどれほど成長の企業をつくり出していったかということ、これはもう有名な例もありますが、任天堂さんとかというようなところで、よく物の本にも書かれているところでございます。

 それから同時に、そういう長期安定的な取引というものは、全般に、そういう安定的な金融の中で事業会社間の信用、企業間信用というものも非常に強化をしていった面も少なからず見られる。最近では、それが逆に企業間信用が崩壊するんではないか、それが不良債権問題の大きな問題点の一つというような議論がなされますが、その裏腹の問題として、金融機関がそういうふうに安定的にメーンバンクとして資金を面倒見てくれるということの中で、事業者間の企業間信用も非常にうまくいっていた。

 そういうことの中で、例えば長期的な取引というようなことで、ある仕入れ商品が、A社、B社と比べたとき、B社の方が少々安くてもA社をとる。それはなぜかというと、A社と当該の商品を必要とする会社との間の本当の信頼関係。だから、商品の設計の段階から、デザイン・インといって取引の相手のいろいろな知恵を自分の方に取り込んでしまうというようなことすら行われた。これも日本経済の非常な強みでございました。

 それから、何よりも株主が安定しているということで、経営者は、当期あるいは次期の配当というようなものを余り気にしないで非常に長期的な視野でもって経営ができたというようなことも言われたことは御案内のとおりでありまして、これらが総じて日本経済の右肩上がりの中でさらに強みを発揮したということは、これは本当に否めない事実であるというふうに思います。

 ところが、最近になってこれがすべてもう百八十度変わったような評価を受けるということでございまして、例えば、長期的なメーンバンクのシステムというのは何かといったら、それでもって不良債権がかえってふえちゃったじゃないか、景況が悪いのにどんどん貸し込んじゃって不良債権がふえちゃったということになるし、安定的な取引なんというのは全然だめだと。それよりも、インターネットでもって全部、オープンアーキテクチャーと言うそうですけれども、一番すぐれた一番安い部品をどんどん世界のマーケットから調達するのがいいんだ、そういうふうに言われる。

 それからまた、今言ったステーク・ホルダー・オリエンテッドな経営じゃなくて、もっとシェア・ホルダー・オリエンテッドな経営をやることによって企業のガバナンス、株主の立場からの企業経営をちゃんと監視するというような力が働かないから、日本はだらだらした経営になって緊張感がないんだと。もうすべて価値観が正反対になっているということでありまして、こういう中で、一体日本経済にどう取り組むかということですが、私は、当面はやはり、国際経済社会の流れに沿って、日本も一度振り子を反対側に振るしかないんではないかと考えているわけであります。


○竹本委員                   
 ありがとうございました。  そういう歴史的な意味合いの中で、今度新しい法律案が出されておるわけでございますけれども、特に株式の持ち合い、今度は解消ということが問題になってきておりまして、新しく法律をつくって、一定の株以上は持たないようにしよう、こういうことになるわけでございますけれども、ただ、株式の益出しというものが不良債権処理の原資の一つとして活用される、こういったことから、株価の下落の銀行経営に対する悪影響といったことが非常に心配になるわけでございます。

 特に、本年度から時価会計が導入されまして、株価の下落が直接銀行の自己資本を低下させる、こういったことになりましたために、公的資本注入行の配当原資の問題が典型的だと思いますけれども、銀行経営の健全性ひいては金融システムの安定性というものが、株式市場の動向に大きく左右されてしまうという状況になるわけでございます。

 特に、お互い持ち合いでございますから、銀行が株を売るのはいいんですけれども、売られてしまうと、もはやその銀行の株を持っている企業の方が、持っている義理はありませんから、それもまた売るだろう。そうすると、売り手が多くなることによって株価が下がるんではないか、こんなことを我々は危惧するわけでございますけれども、そういった問題についてどのように認識しておられるか、ちょっと教えていただきたいと思います。  どなたでも結構です。


○村田副大臣
 委員御指摘のとおり、そういう持ち合い解消という声もあるでしょう。そして、私どもも、銀行が株式を相当程度持っている、そういう事実に着目いたしまして銀行の株式保有制限というものを導入していく。それによりまして、銀行等の株式放出によって非常に過剰な影響を与える、こういうおそれがあるということから、そういう意味で、今回の株式取得機構を設けたわけであります。

 さらに、保有制限の実施は、この法律がお認めいただけるならば、できれば機構自体は来年からスタートさせたい、そういう気持ちがございますけれども、法律に書いてございますが、施行期日、株式の保有制限自体は十六年九月末ということで考えておりまして、機構が発足してから制限を課すまでに一定の猶予期間を設けている、こういうことでございます。

 そういう措置によりまして、保有制限を円滑に実施して銀行経営の健全性を確保して金融システムの安定性を確保していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。


○竹本委員                   
 本来、銀行といえども自由企業でございますから、こういう制限を今、規制緩和の波の中でどんどん外していっているわけですね。そういう中で、新たにこういう規制を加えることはどうかなと思うんですけれども、今お話ありましたように、それは銀行経営を安定させるためにどうしても必要だということで、こういう法律が提案されたのだと思うわけでございます。

 ところで、私は、銀行によっていろいろな態様の銀行があると思います。例えば、今市場には三十兆円の企業の株を銀行は持っていると言われております。そのうち、これをやりますと、十兆円ぐらいがそういうふうな持ち合い解消に使われるんじゃないかとも言われておりますが、その銀行の中でも、たくさん持ち合いで持っているところと余り持っていないところ、だから、急にそこに対応しろと言われても、ちょっと時間をくれというようなところも当然あるんだろうと思いますけれども、そういった個別行の対応に対して、より現実的な導入システムをつくってあげないといけないというふうに思うわけですけれども、この辺の仕組みについて簡単に御説明をお願いいたしたいと思います。


○村田副大臣
 御指摘のとおり、銀行によりまして株式の保有の程度といいますか、それが異なりますし、特に信託銀行等におきましては多額の株式を保有している、そういうケースが予想されますものですから、先ほど申しましたように、保有制限自体は施行期日を平成十六年度からということにいたしますけれども、多額の株式を保有している銀行等については、ポートフォリオの大幅な組みかえによって、かえって銀行経営に大きなリスクを生じさせるということ、これを避けたいということから、最大二年間の適用猶予の措置を設けることにしているわけでございます。


○竹本委員                   
 ところで、この機構でございますけれども、一般勘定と特別勘定と二つあるということでございますが、どうも、まず一般勘定の方は、機構が株の売買の媒介をする、そういったところにその役割があるようでありまして、この間の参考人の意見聴取の中においてもいろいろ使い道があるというような御答弁があったような気がいたしますが、他方、特別勘定の方、いわゆる長期保有、セーフティーネットの方は、どういう場合にこれが使われるのか、もう一つはっきりした答えがなかったような気がするわけであります。

 つまり、銀行が持っている株を機構に売る場合には八%の拠出金を取られる。市場で売却するとそういうものは取られない。当然、ビジネスの常識としてもうかる方を選ぶから、市場でいくんじゃないかと単純に考えるわけでございますが、八%というのは手数料じゃなくて、言ってみれば出資みたいなものだから別に損はしないからいいんだという判断もあるのかもしれない。しかしながら、本当にこういう特別勘定のセーフティーネットの取得機能が使われるというのはどういう場合があるか、想像をしても思いつくところがなかなかないわけであります。

 一つの考え方としては、非常に株価が、市場に出しても全然買い手がない、だからおまえのところで買ってくれ、機構で買ってくれ、こういうことならあるのかなとも思うんですけれども、この辺の一般勘定と特別勘定の役割の分担というものについて、簡単にちょっと御説明をお願いいたしたいと思います。


○村田副大臣                   
 機構には一般勘定、それから特別勘定があるわけでございますけれども、その一般勘定の方は、ETF等の組成をする、そういう形での利用の仕方とか、自社株を取得するような形で利用されるのではないかというふうに思います。

 特別勘定が利用されるケースはどういうケースが想像されるのだと。しかも、市場で売れば八%もの手数料を取られないのに、特別勘定に売る場合には八%もの手数料を取られる。そういう場合において特別勘定が利用されるようなケースというのはどういう場合か、こういう御質問でございますが、あくまで特別勘定におきましても、市場で売るか、あるいは特別勘定を利用するか、機構を利用するかは銀行側の任意で行われるということでございます。

 そういうことから考えますと、特別勘定を利用される場合は、すなわち市場での売却が困難である、こういう状態ではないかというふうに考えられるわけでありまして、そういう意味では、市場が大変強い下方、下値リスクが働いているケースなどがあるのではないかというふうに考えるわけでございます。そういう意味で、市場を利用できないときのセーフティーネットとして、この機構の特別勘定が利用されるものと想像しているわけでございます。


○竹本委員                   
 今、副大臣の方からETFの話が出ましたけれども、ETFがこの一般勘定を通じまして、個人がもっと株式市場に参画していただける一つの動機になればという思いがあるんだと思いますけれども、ともかくここずっと株価が下がっております。私は、三年ほど前だったと思いますけれども、アメリカのダウ平均が一万ドルを達成したその翌日にニューヨークにほかの先生方と一緒に行ったことがございます。そのときのマンハッタンは沸きに沸いておりまして、夜中の三時、四時ごろまでホテルから客が出ないというようなにぎわいでありました。

 ちょうどその日に、ウォールストリートの投資顧問会社の幹部連中と日本クラブで会合を設けていただきまして、お話を聞きましたところ、彼らの次の目標は何かと聞きますと、次は日経平均を超えるのが目標だと言っておりました。つまり、当時一万五千円でした。ですから、一万五千ドルが当面の目標、将来は十万ドルという話を、一人じゃなくて三人ぐらいの人がしておりました。それほどの強気でありまして、ニューエコノミー論が、まさに信じられないようなニューエコノミー論が当たり前のように言われているような謳歌した時代でありました。三年後、テロのせいもありますけれども、御承知のように一万ドルを切るということでございます。

 私は、今まで日本の株式市場が曲がりなりにもこれだけの株価を維持できてきたのは、やはり外人買いが相当数あったからだ、四割ぐらいあったんじゃないかと思っております。ところが、このテロのために、この外人買いが余りこれからは期待できなくなった。そうすると、日本の株式市場をだれが支えるかということであります。企業は不良債権をたくさん持っております。とても株に手を出せるような余裕はないのみならず、みずからの株がどんどん下がっていくわけであります。しかし、だれかが株価を支えないと不良債権がますますふえていくわけであります。

 そこで、言われる個人金融資産、千四百兆円というこのお金を何とか株式市場に投入する方策をやはり考えなきゃいけないんじゃないか、真剣に考えなきゃいけないんじゃないか、このように思っておるわけでございます。アメリカの個人金融資産は恐らく三千六百兆円ぐらいありまして、必ずしも日本が世界一というわけじゃないと思いますけれども、ともかくもう無傷のこの個人金融資産を何とか株式市場に追い込んで、そして株価を上げることが、今一番不良債権の解消にも、そしてまた日本経済の再活性化にも役立つのではないかというのが私の思いでございます。

 そういう意味におきまして、株価対策がいろいろ議論されておるわけでございますけれども、先般、長期保有の株につきまして百万円まで特別控除する制度ができました。百万円というのはいかにもみみっちいなというのが私の印象でございまして、どうしてせめて一千万ぐらいまで伸ばしてくれないのかという気がございました。

 それ以後、我が自由民主党におきましても、この株価対策をどうするかということで、さんざん幹部の方も入れて議論したあげく、いろいろな株価対策、特に、申告納税一本にするけれども税率を下げるとか、あるいは一年超保有の株式につきまして、先ほど申し上げました百万円の特別控除の期限を延長するとか、あるいは税率そのものを引き下げるとか、あるいは緊急投資優遇措置ということで特別の優遇をするとか、こういったことが提案されております。まだ現実にはなっておりませんけれども、私はなおパンチ不足のような感じがするわけであります。

 そういう意味におきまして、株式市場を活性化することこそが、日本経済の活性化にやはり一番役立つんじゃないかなというふうに思うわけでございますけれども、中でも、個人が株式市場を怖いものだと思っているからなかなか手を出さない、もうからないと思っているから手を出さないという中で、やはりいろいろな、デリバティブではありませんけれども、たくさんの商品が出てくるわけでございますが、本当にこれを信用していいのかどうかわからない。

 そこで、このETFでございますけれども、要するに、株価の動きが非常にはっきりわかる、個人も安心して使えるという一つの光明が差してくるわけでございますけれども、今、副大臣少し申されたけれども、もう少し、これをより国民に活用されるにはどういうような方策を考えればいいか、その辺のお考えをちょっとお聞かせ願いたいと思います。


○村田副大臣                   
 竹本委員が御指摘なさいますように、我が国の証券市場におきまして、個人投資家がもう少し参加をしていただいて、それで市場の厚みを増してくるということが市場にとっても必要であろうというふうに思いますし、また、個人投資家にとりましても、預金だけというんじゃなくて、こうした資本市場において取引されるそういう商品についてもリスクテークをしながら参加をしていただくということが必要であろうか、こういうふうに思っているわけです。

 ETFにつきましては、四月の緊急経済対策におきまして、「市場活性化に貢献することが期待されるETFの制度整備を進める」こういうことで、いろいろな政令等の手当てを行いまして、本年の七月十三日より東証、大証において上場が開始されているということであります。

 取引が現在八銘柄で、信託元本総額が約三千三百十一億円ということでございます。八、九、十、三カ月ちょっとということで三千三百十一億円というのは、その額をどういうふうに評価するかでありますけれども、順調に成長しつつあるというふうに見てよいのではないかというふうに思います。

 ちなみに、八月末で見ますと、株式投信、従来型の金銭型のものについては、市場規模大体十四兆円ということでございます。

 国民の皆さん方に対しては何をPRするかということでございますが、これは、まず、原則として通常の株と同じように扱われる、それから手数料が従来の投資信託に比べて非常に安いということが一点。それからもう一つは、目に見える形でもって、今までの投資信託は基準価格がどう動くのかというのはなかなか見にくかったのでございますけれども、これはまさに日経のダウそのものの指数として動いていきますし、あるいはTOPIXでも動いていきますから、非常に値動きがわかりやすいということが二つ目にあると思います。もう一個は、株式投資をした場合には、信用リスクと市場リスク、両方のリスクにさらされるわけでございますが、このETFにつきましては、指数でございますから市場リスク、リスクが一つになる、こういう形で、その意味ではより近づきやすい商品であるかな、こういうふうに思います。

 これからこの商品を育てていくために、例えばETFの銀行での窓販というものを推進していくこともあわせて検討していきたい、こういうふうに考えておるわけであります。


○竹本委員                   
 ぜひその辺の、役所の言葉じゃなくて、本当に国民みんなにそれが利用していただけるような、そういう工夫をなお一層知恵を絞ってもらいたいなというふうにお願いを申し上げておきたいと思います。

 もう一点、この機構の特別勘定の方でございますけれども、二兆円までということが一応限度でございますけれども、これにつきまして政府保証を付すことになっております。ところが、機構が廃止されるまでの間、いろいろな経済変動が予想されるわけでございます。いわゆる国民の税金をこれに使うというようなことにまたなるんじゃないか、こういう危惧の念があるわけでございますけれども、これに対してどういうふうに考えておられるのか、ちょっとお答え願いたいと思います。


○柳澤国務大臣                   
 政府保証二兆円をお願いしているわけでございますけれども、これは当面は、言うまでもなく、低利、安定な買い付けのための資金を調達するということのためでございますけれども、その結果としてもし損失が出、その損失の額が、会員の金融機関等、あるいはそういうようなところから拠出されたものを上回る場合には、政府保証の履行を求められるということで、国民負担につながるということになるわけですけれども、この国民負担につながるということができるだけないような仕組みを考えるということで今回の御提案をさせていただいているわけでございます。

 第一に、買い取りは、第一の一般勘定をできるだけ使って買い取りをしていきたいということでございます。それから第二番目に、特別勘定は、セーフティーネットとしてまさかに備えるということでございますけれども、その場合にも、対象株式を限定して、質のいいもの、流動性の高いものを買い取る。それから、買い取りの方針あるいは開始等についても、運営委員会という第三者のメンバーをもってする委員会の議決を必要としていること。さらには、言うまでもなく、売却時拠出金をお願いするというようなことで、できるだけ損失というものが発生しないような仕組みをしているわけでございます。

 ただ、十年でございますので、この日本経済の先行き十年をどのように見るか。例えば、十四年の一月に始まったとして、この先十年間の日本経済をどう見るか、それが株式にどういう影響を与えるかというのは、これはもう悲観をすれば切りのない話で、いよいよ日本が沈没だというようなシナリオを思い浮かべれば、それはもう心配は限りないわけでありますけれども、これだけの経済を形づくってきた日本国民の底力をもってすれば、十年間どんどん沈んでいってしまうというようなことは考えられないというのが普通の考え方ではないか、こういうように思っておりまして、この面の損失はできるだけ出さないようにということはそうしたことからも言い得るのではないか、このように考えている次第です。


○竹本委員                   
 ありがとうございました。  いずれにいたしましても、国民に損失を出さないということも重要でございますけれども、同時に、せっかくつくった機構が有効に働かなきゃいけない。そこで、民間の有識者等から成る経営陣をつくるということだと思いますけれども、ぜひ実効のある機構運営をしていただきたい、そのように願うわけでございます。

 きょうは塩川財務大臣お見えでございますけれども、私にとりましては地元大阪の大先輩でございまして、今は副総理格の大活躍をしておられますので、最後に一言だけちょっと御質問をいたしたいと思います。

 それは、私は、小泉内閣、非常に大きい理想を掲げている、これはぜひとも成功させなきゃいけないというふうに思っている人間の一人でございますけれども、過去の世界の歴史から見ますと、やはり改革が成功したときには何がしか励みのようなものがあったんではないか、そのような気がするわけでございます。

 サッチャー革命のときもそうだったと思いますけれども、私が直接間接見てきたクリントンの八年間の改革、クリントンも優秀な大統領だったかもしれませんけれども、それ以上に、彼は非常にハッピーな男であったと私は思うわけであります。なぜかというと、八九年にソ連が崩壊し、軍需の必要がぐっとなくなって、それが民需に転用された。そして、ブッシュのお父さんがつくった経済回復のような施策がやっと効果を上げていったときに大統領になりました。

 したがいまして、いろいろな改革、中にはそれを困ると思っていた人がいたわけでございますけれども、励みがあったから何とか我慢できた。その励みというのはこの場合何であったかというと、景気がどんどんよくなっていく、株価がどんどん上がる。私の友人で、ニューヨークに今も住んでおりますけれども、四年ほど前に言っておりました。四〇一kでやりましたら、一千万貯金しておいたら四年後には四千万になった、これだけの資金があれば老後も安心だと。こういう励みが庶民の中にあった。したがって、福祉改革等々につきましても、あるいは軍事費の削減等々につきましても、いろいろ国民は不満はあったけれども、ついてこれた、こういう前例がございます。  今、小泉改革の進行の途上の中で、そういう励みをどのようにつくろうと考えておられるのか、それをぜひお聞きしたいのです。私は、やはり経済回復、景気をよくすることが一番の励みになるのじゃないかなというような気がいたしますけれども、景気をよくする施策をどのようにすればいいと財務大臣はお考えなのか、その辺の所感をお聞かせいただきたいと思います。


○山口委員長                   
 大臣、質疑時間が終わっておりますので、簡潔に。


○塩川国務大臣                   
 もう時間でございますので簡単にということでございますが、私は、規制を緩和して、やはり、今までの特権の上にあぐらをかいておったシステムというものを変えて、全部が、すべての人が競争し得る、そこに活力をつくっていく、そういう社会をつくるべきだと思っております。


○竹本委員                   
 どうもありがとうございました。終わります。私たちの生活のためにこの不良債権問題を着実に解決に向かわしめなければいけないというふうに思っております。

ウィンドウを閉じる